作業環境測定とは、労働者の安全と健康を確保し快適な職場環境を形成するために、「労働安全衛生法」で義務づけられている測定のことです。
労働安全衛生法では
事業者は指定された作業場において作業環境測定を行うことが義務づけられており、その結果を記録・保存しなければならない事となっています。また、作業場によって測定頻度や記録の保存期間が異なり、作業環境測定士の資格者でなければ測定できない場合もあります。当社では、作業環境測定機関登録を受け、作業環境測定士による指定作業場での測定を請け負っています。
当てはまる作業場はありませんか?
- 医療現場や施設内で器具等の滅菌を行っている
- 工場などにおける工程・ライン上で印刷・塗装を行っている
- 建屋内で金属・岩石等の破砕・研磨・混合を行っている
- 試験や研究を行う上で溶剤などを使用している など
特定の化学物質・溶剤を使用している場合や、指定された作業を行う場合などが対象となります。
特定化学物質とは
- エチレンオキシド
- カドミウム
- クロム酸
- シアン
- フッ化水素
- ホルムアルデヒド
- ベンゼン
- マンガン など
44物質が特定化学物質(第1・2類)として指定されています。
有機溶剤とは
- クロロホルム
- 二硫化炭素
- アセトン
- イソプロピルアルコール
- キシレン
- シクロヘキサノン
- トルエン など
47物質が第1・2種有機溶剤として指定されています。
労働安全衛生法では指定された作業とは
指定作業場の種類、測定の頻度、記録の保存期間
作業環境測定を行わなければならない作業場 | 関連規則 | 測定項目 | 測定の頻度 | 記録の保存 |
---|---|---|---|---|
※粉じん(土石・岩石・鉱物・金属・炭素)を著しく発散する屋内作業 | 粉じん則26条 | 粉じん濃度等 | 6ヵ月以内に1回 | 7年 |
暑熱・寒冷・多湿となる屋内作業場 | 安衛則607条 | 気温・温度ふく射熱 | 半月以内に1回 | 3年 |
著しい騒音を発する屋内作業場 | 安衛則590・591条 | 騒音 | 6ヵ月以内に1回 | 3年 |
坑内の作業場 | 安衛則592・612・603条 | 炭酸ガス気温・通気量 | 半月以内に1回 | 3年 |
中央管理方式の空調設備を設けた事務所 | 事務所則7条 | CO、CO2、室温等 | 2ヶ月以内に1回 | 3年 |
※放射線業務を行う作業場 | 電離則55条 | 放射性物質の濃度 | 1ヵ月以内に1回 | 5年 |
※特定化学物質を製造・取り扱う屋内作業場 | 特化則36条 | 対象物質の空気中濃度 | 6ヵ月以内に1回 | 3年/30年 |
※石綿等を取り扱う屋内作業場 | 石綿則36条 | 空気中の石綿濃度 | 6ヵ月以内に1回 | 40年 |
※鉛業務を行う屋内作業場 | 鉛則52条 | 空気中の鉛の濃度 | 1年以内に1回 | 3年 |
酸欠危険場所において作業を行う作業上 | 酸欠則3条 | 空気中の酸素等の濃度 | 作業開始前 | 3年 |
※有機溶剤を製造、取り扱う屋内作業上 | 有機則28条 | 対象物質の空気中濃度 | 6ヶ月以内に1回 | 3年 |
※は、作業環境測定士による測定が義務付けられている指定作業場(それ以外の測定も代行しています。)
調査事例
- 局所排気装置検査
- 室内空気環境測定
- 焼却炉解体時におけるダイオキシン類の作業環境測定
- 学校衛生基準におけるダニアレルゲンなどの調査
- アスベスト調査
- 建築物衛生法(ビル管法)や労働法事務所則にて指定される事務所などの環境測定(一酸化炭素・二酸化炭素など)
関連基準値一覧
- 室内空気中化学物質濃度の指針値
- 学校環境衛生基準